地域活性化や環境政策の現場では、良い取り組みであっても人や予算が動かないことがあります。
その要因の一つに「伝え方」があると考えています。プロジェクトの進み具合は、伝え方ひとつで大きく変わります。
最近よく聞くようになった「ピッチ」。
その役割を、皆さんご存知の「TED」と対比して整理してみます。
1. ビジョンを共有する「TED」
TEDの目的は、新しいアイデアや視点を広めることです。
・特徴:ストーリー(物語)と感動を重視
・活用場面:シンポジウムやワークショップの冒頭
「なぜこの活動が必要なのか」という大きなビジョンへの共感を得て、関係者の温度を上げたい時に有効です。
2. 具体的なアクションを促す「ピッチ」
ピッチは、短い時間で相手に「決断」を促す手法です。
・特徴:解決策、根拠、メリットを端的に提示
・活用場面:行政への予算提案、補助金の審査、協力要請
「何をすべきか」を明確にし、具体的な協力や契約といった一歩を引き出す場面で真価を発揮します。
使い分けの視点
・共感を広げたい段階 → TED型
・意思決定を取りたい段階 → ピッチ型
・初期の関係構築 → TEDから
・予算・実行フェーズ → ピッチへ
理想と現実をつなぐには、TED(理想)でワクワクを生み、ピッチ(具体策)で動かしていく。
実務では、この2つを分けて考えるのではなく、「TED → ピッチ」と一連の流れとして設計することが重要ですね。
共感だけでは動かず、提案だけでは腹落ちしない。
この両輪を意図的につなぐことが、地域に持続可能な活動の仕組みを築く原動力となります。
当機構では、こうした「共感から決断へ」のコミュニケーション設計も含め、
地域づくりにおける伴走支援を通じて、「人が動く設計」まで、一緒に組み立てています。