皆さんも、「正しい情報を届けよう」と丁寧に資料を作り、わかりやすく説明したのに反応が薄い。
セミナーを開催しても「よく分かりました」「勉強になりました」で終わってしまう・・・。
そんな経験はありませんか?
先日、目にした書籍で、日本の社会教育が陥ってきた「啓蒙主義」の問題が指摘されていました。
この「届かない」という現象には、構造的な原因があるというものです。
提供する側の「良かれと思って」という善意が、受け手にとっては“押し付け”に転化してしまう構造です。
住民に内発的な動機が生まれていない段階で「正しい知識」を与えると、人は「教えられる側」に固定化されます。
その結果、依存や反発が生まれ、主体性そのものを損なってしまうことさえあります。
どんなに価値のある情報でも、相手の「知りたい」「変えたい」という文脈に乗っていなければ届きません。
重要なのは「正しさ」ではなく、「相手のリアリティ」を出発点にすること。
これは情報の質の問題ではなく、関わり方の問題です。
では、どうすればこの構造を乗り越えられるのか。
私たちは現在、住民一人ひとりの関心や記憶を起点に対話を設計し、「自分ごと化」を促すためのツール開発を進めています。
知識を“伝える”のではなく、関心や問いを“引き出す”ための仕組みです。
まだ開発段階ではありますが、これまでの現場での試行から、従来の一方向的な情報提供とは異なる手応えも見え始めています。
もし、「伝えているのに届かない」という課題に向き合っておられる方がいらっしゃれば、
一度意見交換させていただけると嬉しく思います。