前回は、地域を動かす「アクセル」としての中間支援について紹介しました。
アクセルは、地域に新たな挑戦を生み出し、多様な主体をつなぎ、地域を前へ進めるための大切な推進力です。
では、その地域が本当に持続可能な方向へ進んでいるかを支える役割は誰が担うのでしょうか。
その役割を担うのが、環境・サステナビリティ分野における「アンカー」としての中間支援です。
熱量の高いプラットフォームだけでは、
「土台となる専門性」と「本質を見失わないためのアンカー(錨)」が欠けてしまいます。
そのため、国の環境施策を地域で実装していくためには、
環境・サステナビリティ分野の地域横断的広域支援拠点の存在が不可欠です。
例えば環境分野ですと、
熱量の高いプラットフォームが広げた多様なネットワークの中に環境分野の地域横断的広域支援拠点が加わり、
ESD(持続可能な開発のための教育)の考え方を基盤とした中核人材づくりを進めながら、
専門的な環境知見を地域の現場で使える言葉へと「翻訳」し、
多様な主体とともに持続可能な地域モデルを社会に「実装」していくことが求められます。
熱量を高める中間支援を「エンジン」だとすれば、
アンカーとしての中間支援は、越えてはならない生態系の限界を示す「コンパス」であり、
地に足のついたモデル実装を支える「アンカー」としての役割を果たします。
ここでいう「アンカー」とは、地域の挑戦を止めるものではありません。
新しい取組が本来目指すべき方向から外れないよう支え、地域に持続可能な仕組みとして根付かせるための「錨」です。
開かれたプラットフォームの発信力や推進力を生かしながら、専門拠点が後ろでしっかりと伴走支援を行い、
本質的なサステナビリティの軌道から外れないよう、確かな方向へと導いていく。
このような役割が「アンカー」としての中間支援に求められていると感じています。
アクセルだけでは、勢いは生まれても方向を誤ることがあります。一方で、アンカーだけでは、新しい挑戦は生まれません。
だからこそ、地域を動かす中間支援と、本質を見失わない中間支援が互いに補完し合う「両輪」の関係が重要なのです。
こうした考え方のもと、私たちCDIも、環境政策を地域の言葉へ翻訳し、多様な中間支援機関と連携しながら、
地域の挑戦が一過性の取組で終わることなく、社会に定着するまで伴走していきたいと考えています。
地域の未来をつくるのは、一つの組織ではありません。
それぞれの中間支援が役割を果たし、「アクセル」と「アンカー」という両輪が機能して初めて、
持続可能な地域モデルは地域に根付き、次の世代へ受け継がれていくものと考えています。