東京は「多様」です。
ですが実際には、価値観の近い人たちが自ら選び合って集まる、ある種“同質性の高い空間”とも言えます。
一方、地方は少し事情が異なります。
世代も職業も立場も異なる人たちが、同じ地域で暮らし続けている。
農業、福祉、商工、子育て、防災――抱える課題も切実さもバラバラです。
地方には、「逃げ場のない多様性」が存在しています。
完成度の高いビジョンをそのまま地域へ持ち込んでも、うまく機能しないことがあるのは、この違いからと考えています。
問題は“内容の良し悪し”だけではありません。
地域ごとに、人と人との関係性や、納得のつくられ方が違うからです。
私たちが中間支援で最も重視しているのは、「何を導入するか」よりも、その前段階のプロセスです。
異なる利害や言葉を持つ人たちの間に立ち、対話を重ねながら、お互いが理解し合える“共通言語”を探していく。
地域の一次情報を丁寧に読み解きながら、国の政策とも接続し、様々な過程で関われる土壌を整えていく。
変革の種を蒔く前に、人々が自律的に関わり合える「共生・共創の土台」を耕すこと。
言い換えれば、インフォーマルに人がつながり、少しずつ信頼を育てられる“公共的空間”を育てることです。
今、本当に求められている中間支援とは、こうした時間のかかるプロセスそのものなのだと感じています。