環境省の様々な施策は「啓発・学習」から「社会実装」のフェーズへと明確にシフトしていると言えます。
地域に重層化した環境課題の解決に向けた仕組みを根づかせるには、一つの組織だけでは限界があり、
行政・企業・NPO・金融・教育機関など多様なプレイヤーの協働が不可欠です。
しかし、行政は公共性と制度の持続性を、企業は収益性とサプライチェーンを、NPOは理念と現場の切実さを語る中で、
方向性は一致していても、言語が噛み合わなければ具体的なアクションには結びつきません。
例えば、ネイチャーポジティブの取り組みを中小企業に提案するとき、
「地球環境のために」という言葉だけでは経営の現場は動きません。
「今後のサプライチェーンで生き残るための企業価値向上」「新たな取引先を開拓するための実績証明」という
経営の言語に翻訳して初めて、対話が始まります。
場づくりの現場でも、地域の状況を俯瞰できるオリジナルツールで全員が共通の「見取り図」を持てるよう工夫しています。
複雑な関係性を可視化し、それぞれの役割をマッピングすることで、人は初めて「自分ごと」として動き始めます。
ステークホルダー間を繋ぐ役割とは、通訳者であり編集者でもあること。
妥協点を探るのではなく、異なる価値観を掛け合わせて新しい価値を生み出すプロセスを根気強く続けること。
その先に、自律的に動く連携網が生まれます。
これからも多様な人々を巻き込みながら、地域に新しい価値を生み出すための「翻訳」を続けていきます。