一口に「中間支援」と言っても、その役割はさまざまです。
近畿地域を見ても、それぞれ異なる強みを持つ支援機関が存在し、互いに補完しながら地域づくりを支えています。
① 環境・サステナビリティの専門拠点
国の環境政策を地域へ実装する専門機関です。
例えば、きんき環境館や各自治体の環境活動推進センターなどが該当します。
環境政策を現場の課題へ翻訳し、専門的な知見を活かしながら伴走支援を行う役割を担っています。
② 官民連携・オープンイノベーション拠点
企業、大学、自治体、市民など、多様な主体が出会い、新しいプロジェクトを生み出す場です。
関西SDGsプラットフォームやQUINTBRIDGE、QUESTIONなどが代表例です。
異分野が交わることで、新しいアイデアや事業が生まれる土壌を育んでいます。
③ 金融・産業支援
地域金融機関や商工会議所、日本政策金融公庫などが、事業化や資金調達を支援します。
地域の取組を「活動」で終わらせず、持続可能なビジネスへ育てる役割があります。
④ 学術・研究機関
大学や研究機関、専門家ネットワークは、社会実験や効果検証を担います。
取組の成果を客観的に評価し、次の地域へ展開できる知見として蓄積していきます。
⑤ 資金循環・慈善事業、社会貢献基盤
コミュニティ財団や共同募金、企業版ふるさと納税の窓口などが該当します。
寄付・遺贈・休眠預金といった「地域の志あるお金」を集め、草の根で活動する担い手へ分配・伴走します。
③が融資や事業化を通じて活動を「稼ぐ力」へと支援するのに対し、⑤は返済を前提としない社会的資金を地域内で還流させ、
市場になじみにくい公益的な取組を支援する役割を担います。
⑥ 市民活動・NPO支援の基盤拠点
市民活動サポートセンターやボランティアセンター、社会福祉協議会などが該当します。
分野を問わず、NPO法人格の取得や会計・労務・ガバナンスの相談、
ボランティアのコーディネート、地域内の人と人との媒介役を担います。
①〜⑤が政策・資金・知といった特定の機能で地域を支えるのに対し、
⑥は担い手そのものの組織基盤を分野横断で支える役割を果たし、他が力を発揮しやすくするための基盤を整えます。
⑦ 地域経営・エリアマネジメント
まちづくり会社やエリアマネジメント組織、地域運営組織(RMO)、観光地域づくり法人(DMO)などが該当します。
特定のエリアや商店街、中山間地域等で空間の活用や地域経済の循環そのものを経営する主体です。
②が異分野を出会わせる触媒、⑥が担い手を支える足場だとすれば、
⑦はその場に根を下ろして地域を実際に回していく実装体であり、支援と経営の両面を併せ持つ点に特徴があります。
これらの中間支援は、それぞれが独立して活動しているわけではありません。
それぞれの強みを持ち寄ることで、地域課題の解決力は大きく高まります。
次回は、「地域を動かす力」という視点から、中間支援の役割を考えてみます。
(①~⑦の他にありましたらご容赦願います)