前回は、資源循環モデル全体を俯瞰した際に、「Recycle」を中心とした取組が多いように感じられたことをご紹介しました。
では、今後どのような視点が加わると、さらに資源循環の取組は広がっていくのか?
私たちは、その鍵の一つが環境政策ならではの視点にあると考えています。
産業政策では、資源循環は新しい産業や市場を育てることが大きな目的となります。
一方、環境政策では、
「そもそも廃棄物を出さない暮らしや地域をどう育てるか」
という視点も重要になります。
例えば、
- 必要以上に買わない
- 長く使う
- 修理して使い続ける
- 地域でシェアする
- リユースを選ぶ
こうした日々の行動が地域に根付けば、資源循環はさらに一歩先へ進んでいきます。
そして、この二つの考え方は対立するものではありません。
むしろ、
「回す仕組み」と「減らす暮らし」
この両方がそろってこそ、循環型社会に近づいていくと考えます。
例えば、モデル実装では次のような視点を取り入れていくことが考えられます。
- 回収量だけでなく、一人当たりの廃棄物発生量やリユース利用率など、「入口側」の変化も見ていく。
- 再生品をつくるだけでなく、地域で「選ばれる」「使い続ける」ことまで検証すること。
- 実証で得られた知見を学校教育や地域の学び(ESD)へつなげ、次世代へ受け継いでいく。
こうした取組が積み重なれば、地域の中で資源循環が一過性のプロジェクトではなく、
暮らしの文化として定着していくのではないかと思います。
「回す仕組み」は、全国各地で着実に育っています。
そして、「回さなくても済む社会」をどう目指していくか。
その視点を加えることで、環境政策としての資源循環はさらに豊かなものになっていくと考えています。
私たちも中間支援機能として、地域の皆さんとともに、そのような視点を大切にしながら伴走していきたいと考えています。
※本稿は特定の事業・案件を評価するものではなく、資源循環政策全般について当機構が感じたことを整理した内容です。