今更ではありますが、先日の会議で改めて「そうだよな」と。
職種的にはモノやコトのイメージですが、改めて思ったのは「コミュニケーションの循環」。
今の日本では、生産者(一次産業者)から物が届くまでに
ほとんどの場合いくつかの中間業者を経て入手することになります。
今、課題に感じているのはこの「中間」におけるコミュニケーションの循環。
大阪では今も「商店街」が現役で残っているのは、商店街にある個々のお店と顧客との間に
良質なコミュニケーションの循環があるからと感じています。
もう15年ぐらい前の事ですが
ある地域の昆布漁を営む方々に取材をさせて頂いた際、
一人、早く漁を終えて戻られた方がいました。
まだまだ漁から戻る時間ではなかったので声を掛けると
「決まった量だけを、厳選してとれば、それで生活はできるから。」と。
そして(ここまで聞くのに、長い時間を要しましたが)
「大阪の業者(販売業者)は、買取価格がどんなに下がっても(上がっても)、
いつも同じ(良い)値段で買ってくれる。そしていつも喜んでくれる。
我々ことも大切に思ってくれている。
だから、その業者のために、いい状態のものだけを納品すればいい。
金のために何でもかんでもとりつくさなくてもいい。」と。
その後、価格の下落や昆布の不作、漁師の高齢化等で、漁をする方々は減ったようですが
その大阪の業者では、今もその地域の昆布が販売されています。
ご縁の風土がある近畿の「良質なコミュニケーションがもたらす循環」は
我々も大切にしていきたいと考えています。

写真:2022年、現地が気になり再訪問。
その時取材した漁師さんには会うことはできませんでしたが、
せっかくとのことで現地ガイドさんの案内で海へ漁(釣り)に連れて行っていただきました。
この魚(樺太鱒)は、ガイドさんと二人でおいしく頂きました。ごちそうさまでした。自然に感謝。